たべる

吐き気で早くに目が覚めて、これはまずいなと思った。もう5日かな、まともに食べてない、食べられない。スープなら、と鍋に手をかけたけど、この中に食材が入ることを思うだけでまた吐き気がした。食事が苦痛。あーあ、こんなときでも自分で作らなきゃいけな…

おにぎり

母の作るおにぎりは完全な正三角形だった。全ての面がしっかりあって何個作っても完璧に同じ大きさ。お弁当に入れられると固くて嫌だった。それに比べて祖母の作るおにぎりは、ほぼ丸なんじゃないかと思うほどぼんやりした形をしていた。手で持つとボロボロ…

0518

寝て起きて仕事行ってを繰り返して、代わり映えのない日々が幸せなんだよと言われてもそうだねとは思わない。死ぬまでこれが続くんかと思うし、その途方もなさを思うとうんざりする。でも歳を重ねるごとに感情の振れ幅が小さくなって凪いだ状態がつづくこと…

紅茶

昨夜は新聞配達の音がしてから寝た。朝になり昼も過ぎ、それでももうわたしはだめなんです、と横たわったまま動けない。本を読んでも内容と関係なくずっと涙がながれる、涙が耳に入るとぼうっと音がする、本を読む。本の中で先生がおいしい紅茶の淹れ方を話…

おめかし

わたしは口紅以外の化粧道具は持ち歩かないのだけど 世の多くの女性は化粧ポーチを持って化粧直しもするわけじゃないですか。あれってどこまで持ち歩けばいいんだろうっていつも考える。だって、ファンデーション落ちちゃうかも アイライン滲んじゃうかも シ…

青い花

数年前まで、美容師をしていた。心の底から大好きな仕事だった。だけど美容師として過ごせたのは、たったの2年で、仕事を楽しいと思えたのは、もっと短かった。好きな仕事ができることを幸せに思っていた、それなのに心が、からだが、どんどん置いてけぼりに…

0327

中古で車を買った。今までの人生で一番おおきな買い物だ。数十万を3年かけて払うという話になったとき、3年後に生きてる保障もないのに、とすこし思った。 2年前、わたしのこころはすり切れて、グラスから水がぎりぎりのところで溢れていない、そんな状況だ…

ミモザ

あれこれ考えを巡らせても、結局人の考えることなんてわたしにはわからない。悪いふうに決めつけてかなしくなるよりは、考えないでいたほうがいい。なるべくべつのことで頭をいっぱいにする。なるべく、なるべく 街でミモザが咲いてるのを見た。きれいだ。き…